ガーナのゴミアートから環境問題へ!長坂真護、過酷な20代を経て初の美術館個展

  • 2022年5月15日
  • 2022年8月11日
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活動家・美術家の長坂真護(ながさかまご)さん37歳が、東京上野の森美術館で初の美術館個展が10月に開催されます。ガーナの環境、貧困問題に日本人として立ち向かい、持続可能な利益を生み出す1つの町を作る活動の裏には、過酷な20代の経験がありました。

目次
1 長坂真護(ながさかまご)さんの活動
2 ニューヨークのギャラリーで個展開催の目的
3 20代の過酷な日々
4 長坂真護(ながさかまご)さんのまとめ

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1 長坂真護(ながさかまご)さんの活動

長坂さんはガーナのゴミから電子製品を拾い、アート作品に仕上げている美術家です。

又、SDGs項目のNO1「貧困をなくそう」NO12「つくる責任、つかう責任」を実現するために動く活動家でもあります。

2017年長坂さんは西アフリカのガーナ共和国の首都アクテの南部にあるアグボグブロシーという町を訪れました。きっかけは雑誌でゴミの山にたたずむ少女の写真を見て衝撃を受けたからです。

どんな町なのでしょうか?

ここは先進国で捨てられたゴミが運ばれてくる場所でした。元々湿地帯であった場所が20年でゴミに埋め尽くされ湿地帯は消滅しまうほど大量なゴミの量でした。さらに増え続けゴミの山となりました。高さなんと10メートルです。

ゴミを安全に燃やす工場はありません。住民が生活のため金属を取りだすのでゴミを燃やします。そこには有毒ガスが出ます。ガスマスクは付けていません。健康を害します。という負の連鎖が続きました。

こんな状況を目にしたら誰でもが心を痛みます。でも、大体の人は私も含めて状況を知るだけで何も出来ないのが現実でないでしょうか。ガーナ共和国が国として何かしてほしいと願うだけです。

でも、日本人である長坂真護さんは行動を起こしました!

いったいどのようなやり方で、この町の状況を変えようとしたのでしょうか?

まず最初に考えたのは、「より早くこの現実を世界に伝えたい」ということでした。

方法は?

実際に落ちている先進国のゴミを絵具代わりにすれば、アグボグブロシーで起きている現実が目に入ります。電子ごみを拾い集めアート作品を作りました。

長坂真護さんの作品(AXISより)

ゴミ→アート→発信のシステムを作りました。

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2 ニューヨークのギャラリーで個展開催の目的

次は発信の部分です。どのようにしていったのでしょうか?

長坂さんはニューヨークのギャラリーで電子ごみを使ったアート作品を発表し販売しました。

ギャラリーに飾られた一番高価な作品は日本円で3000万円です。

長坂さんが過去に売れた作品の総額は12億になるそうです。

長坂さんは収益金の大半をアグボグブロシーに還元しています。

最初にガスマスクをプレゼントしました。2018年にはアグボグブロシー初の小学校建設、2019年には初の美術館MAGO E-WasteMuseam、広場にシンボルとなる「ムーンタワー」を現地の人と一緒に作りました。

ムーンタワー(PRtimesより)

ゴミしかない広場に作ったムーンタワーはペットボトルでつくられています。夜はLED電気がともり、周りを明るくします。皆で作ることによって心が一つになりました!

有毒ガスを発生するようなゴミを燃やす仕事ではなく、人々が農業、リサイクル工場で働き、自分達で稼いで暮らしていける「平和な世界を作ってみたい」と目標を掲げています。

僕は、慈善事業をしているつもりはありません。アグボグブロシーで経済・環境・文化の三つの軸が循環する社会をつくりたい。世界中から大量の電子廃棄物が集まっている場所には、1日500円で働く豊かな人材があります。そして今は、プラスチックやポリエステルを再生する技術もある。ゴミの山をお金に変えるリサイクル工場が現地にあれば、彼らは喜んでゴミをリサイクル工場に持ち込むでしょう。いつか、アグボグブロシーをゴミ山になる前の、美しい湿地帯に戻すこともできると思っています。

(asahi.comより)

持続的な利益が生み出せれば人々の生活は変化するのは間違いありませんね。

そして長坂さんはアグボグブロシーと同じ面積の土地を購入し、無償で提供することも視野にいれています。

先進国が便利な生活で捨てたゴミを先進国の人々が高額で購入するというしくみを作り出しました。

長坂さんのMAGOギャラリーはニューヨーク、パリ、日本にあります。

寄付は求めずにアートという対価を渡して、そこでいただいたお金を使って事業をガーナにプレゼントするのが目的でギャラリーは主要な都市に作られました。

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3 20代の過酷な日々

長坂さんはどのような人物なのでしょうか?順風満帆に見えますが、実はここまでの道のりには過酷な経験が積み重なっていました。

今の長坂さんからは想像できませんが、20代で2つの大きな試練がありました。

何があったのでしょうか?

長坂真護さん(asahi.comより)

一つ目の試練です。

長坂さんは1984年福井県で生まれました。福井の工業高校卒業後、東京にある文化服飾学院に進学しました。

文化服装学院の時、優勝すればイギリス留学が約束されてたコンペで優勝を逃しました。そこから運に見放されていきました。

自費留学に備え手っ取り早くお金を稼ぎたかったので、新宿歌舞伎町でホストをはじめました。

しかしお金を稼ぐどころか、お客さんの漬けががたまり100万の借金となってしまいました。

もう手段は選びませんでした。そして8か月後、N01ホストとなりました。年収3600万だそうです。

次に二つ目の試練に入りました。

3000万ほどの資金が出来たのでホストを辞め、アパレル会社を起業しました。

しかし、パートナーの裏切りに会い1年で貯金はなくなりました。

そしてここでも借金が1千万円、大量の在庫が残りました。

長坂さん23歳時です。

ここから長坂さんは方向性を変えました。

2009年24歳ここで転機を迎えます。何をはじめたのでしょうか?

新宿の路上で絵画のライブペインティングを始めました。10か月後、初開催した個展で絵が売れました。

新宿の路上で絵画のライブペインティング(asahi.comより)

ガーナに行くまでは、僕自身が自分のアートの可能性を完全には信じていなかった。自分のアートが、どう社会に関わっているのか疑問を持ちながら描いていたんです。いま思えば、あのころの僕は絵は丸く、人の心を刺すようなとがった部分がありませんでした。それがガーナの現状を見たら、この状況をなんとか変えたいというどうしようもない感情がわいてきて、いきなり全く違う画風の絵が描けた。本気でアグボグブロシーの人たちを救いたいという愛が、僕の才能を引き出したと思う。本気の必然で描いた絵は、たくさんの人に評価してもらえるようになりました。

(asahi.comより)

人との関係、社会の仕組み、などのたくさんの教訓を20代で受けました。どん底にいても次のアクションに転じ、そこで上手くいかなくてもさらにあきらめずに頑張ったのですね。

最終的には小さいころから絵を描くことが好きだったことをばねとしました。そして今の活動に繋がっています。一番得たことは「素の自分であるために」ということでした。

大変過酷な20代の生活でした。

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4 長坂真護(ながさかまご)さんのまとめ

長坂さんは先進国の電子ごみを絵具に代わりに使いアート作品を作り、アグボグブロシーの過酷な現状を伝えました。

現地の人はどのように感じていたのでしょうか?と疑問がわきました。

「2017年以来、マゴはいつも戻ってきた、兄弟と同じように抱きしめて。写真を撮って逃げて行く人たちと違う。だから彼と共に成長しよう!」と現地の人が語っていました。

「共に成長しよう!」という希望にあふれた言葉は心に響きました。長坂さんの活動が人々の心を豊かにしている現実を見て、同じ日本人として嬉しく思いました。

今もアグボグブロシーの広場には、長坂さんと現地の人々が一緒に作った「ムーンタワー」があります。ペットボトルでつくられているムーンタワーは夜になるとLED電気ががつき、周りを明るく照らします。まるで道しるべですね。

現地の人々と長坂真護さんの作品(PRtimesより)

日本人でありながらガーナの環境、貧困問題に立ち向かい、持続可能な利益を生み出すまでの過程には過酷な20代の経験がありました。この経験が長坂さんをより強くしたと思います。結果的に小さなころの夢、作品をつくることに繋がりました。

意志あるところには未来が開ける!と長坂さんの活動を通して思います。

活動家・美術家の長坂真護(ながさかまご)さんが東京上野の森美術館で初の美術館個展が10月に開催されます。長坂さんの活動をたくさんの人が知るよい機会になることを願います。




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