5月20日中井貴一さんが8年ぶりにA‐studioに出演します。司会の鶴瓶さんとは30年以上にわたる付き合いで旧知の仲です。気取らない中井さんの姿や素顔をのぞかせてました!又、中井さんと多数共演している三谷幸喜さんからの演出から中井さんの持つ役者魂がわかります。今年公開の映画、落語家立川志の輔原作「大河への道」では中井節が楽しめる作品になっています。
目次
1 三谷幸喜さんから見た役者中井貴一の印象
2 中井さんのヨーロッパ紀行からみえる素顔
3 一目でわかる中井さんのwiki。
4 中井貴一さんのまとめ
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1 三谷幸喜さんから見た役者中井貴一の印象
三谷幸喜さんは2020年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本を手掛け、4月からNキャスの司会を務めマルチに活躍をしています。
中井貴一×三谷幸喜、二人の共演で最初に思い浮かぶのは大ヒット映画「記憶にございません!」(2019年)でしょうか。ミュージカル「日本の歴史」も三谷幸喜さんの演出で中井さんが出演しました。多数の作品でタックルを組んでいる気心の知れた仲です。
三谷さんは俳優中井貴一さんのことをどう思っているのでしょうか?
「取り合えずやってみる、作りこまずに来てくれる。いずれ監督をしたほうが良い。その時は脚本をかく!」
(A‐studioインタビューより)
中井さんが一声かければ、たくさんの人が集まりますね。
一方、中井さんは演出家三谷幸喜さんをどのように見ているのでしょうか?
「お客さんをどう楽しませるかを一番に考えている。それが最優先!僕たち世代の中で天才の一人」
(A‐studioインタビューより)
と中井さんは語ります。
もう少し具体的な例を見ていきたいと思います。「記憶にございません!」の公開に合わせて二人の対談がありました。そこには中井さんの役者魂!がわかる言葉がありました。
映画「記憶にございません!」は「もしも自分がある日突然総理大臣になったら…?」という空想から生まれた三谷幸喜さんのオリジナルストーリーです。この映画で中井さんは主人公の総理大臣を演じました。
そして見事第62回ブルーリボン賞主演男優賞、アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しました。
この映画の興行収入は36億円を超える大ヒット映画になりました。
三谷さんはこの映画の名シーンとして「中井貴一×佐藤浩市の長まわしシーン」をあげています。このシーンは三谷さんの強い要求でした。
二人の演技力を見込んで出来上がったシーンですね。
中井さんは役者津川雅彦さんから聞いた話を三谷さん伝えます。
うちの親父の台本には何も線がひかれてないけど、三國さんの台本には事細かに書かれている。三國さんは芝居は理論だというけれど、親父は空気だという。」
(news ponycanyonより)
中井さんの父は名優佐田啓二さん、佐藤浩市さんの父は名優三國廉太郎さんです。
二人は共に名優の息子さん同士です。
中井さんと佐藤浩市さんの二人の芝居を2時間観たいと三谷さんは語っています。
あの三谷さんをそこまでひきつけるお二人、役者へのアプローチに違いはあるのでしょうか?
役作りのアプローチの仕方はまるで正反対のようです。
ちょっとした動作まで現場で念入りにプランをたてるのは佐藤浩市さん。
では中井さんは?
撮影現場にはいるなり「さあ、始めよう!」と撮影にのぞみます。もちろんそれまでにセリフを覚える、役柄の性格、人とのかかわり方などのベースは中井さん流に仕込んでいるという前提です。
「僕の役をどうにかするという気持ちはありません。話全体がいかにおもしろくなっていくかが一番大事です」
(A‐studioインタビューより)
と中井さんは語ります。中井さんはお父さんの佐田啓二さんのやり方を自分なりに熟慮し実践することにしていたのですね。もしかして演技のやり方を考えた時、自然に導かれていったのかもしれません。
三谷さんは中井さんの演技に対する役者魂を知っているから「いずれ監督をしたほうが良い。」とアドバイスしたのでしょう!
三谷さんをはじめ現場のスタッフや俳優さんたちは中井さんに演技プランを任せています。中井さんを信頼していた様子が伝わりますね。
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2 中井さんのヨーロッパ紀行からみえる素顔
「天才ダヴィンチからの挑戦状」(TBS)で中井さんがイタリアを旅した番組が放送されました。レオナルドダヴィンチの素顔に中井さんが迫るという特別企画でした。
こういう旅番組では演じていない素顔の中井さんが見られるのも楽しみの一つです。
映像は中井さんがイタリアの景色にたたずむだけで、映画のシーンのようでした。
やっぱりカッコよくて、凛とした空気がただよいます。
このブログでもご紹介した「野村萬斎×羽生結弦 表現の極意を語る」で野村萬斎さんが言ったその場とその時間「空気をまとう」という表現にピッタリです。その意味に興味のある方はご覧くださいね。
A‐studio番組中にも中井さんは俳優橋爪功さんの演技を「その人がそこにいるだけでその雰囲気がでる」と橋爪さんを讃えていました。橋爪さんとはNHK大河ドラマ「武田信玄」(1988年)からの仕事仲間です。
レオナルドダヴィンチを取材するにあたり中井さんは独特のアプローチをしています。それは中井さんらしい大変面白い切り口(キーワード)でした。
どんな切り口(キーワード)なのでしょうか?
「ダヴィンチが同級生だったらこの人とは友達になれるか」です!
昔のことは想像力で役を作っていくしかないと思い中井さんはその人物像を探っていきます。その過程で「同級生だったらこの人とは友達になれるかな」と考えて役作りをするという秘話を教えてくれました。
想像力豊かな中井さん、さらに子供のころのエピソードを教えてくれました。
布団に入り布団をかぶったらそこが宇宙船になる。ここにボタンがあってとか(笑)。これから夢の中に出発するんだっていう設定から眠りにつく子だった。50年たっても同じことを考える(笑)。
「天才ダヴィンチからの挑戦状」(TBS)
ゆったりとイタリアの町を歩きながら、ここもレオナルドダヴィンチが歩いていたのかも、とレオナルドの気持ちに静かに思いをよせている姿が印象的でした。
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3 一目でわかる中井さんのwiki
中井さんは1961年9月18日東京都生まれ、現在60歳です。
1981年中井さん20歳の時、映画「連合艦隊」で映画デビューと同時日本アカデミー賞新人賞受賞しています。
2年後の1983年ドラマ「ふぞろいの林檎たち」で大ブレイクしました。
1994年「四十七人の刺客」で第18回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞しました。とんとん拍子に役者人生を進みました。
そして数多くの映画、ドラマ、CMに出演しています。
1995年「マークスの山」、1999年「梟の城」、2003年「壬生義士伝」、2014年「柘榴坂の仇討ち」
2019年「記憶にございません!」ではアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しました。
NHK大河ドラマ「武田信玄」(1988年)の時代劇は40%越えの視聴率、最近ではトレンディドラマ「最後から二番目の恋」(2012年)など役柄は幅広くシリアスな役柄からコメディまでどんな役もこなしています。
又「DCカード」「ミキプルーン」などCMも多数出演しています。
俳優さんにも慕われる素顔
「人間は生まれた時点でもう何者なんですよ。もう生きていることが何者かということなので彼女が彼女らしくのびのびと生きてくれれば共演者としてとても幸せです」
(A‐studioインタビューより)
この言葉はA‐studio番組放送中に今から10年前、9歳の時に子役として共演した白石彩名さんに向けてのメッセージです。
白石さんは現在20歳になりました。お付き合いや結婚する男性を考えるときも「貴一さんと比べてしまう!」と思うほど中井さんに憧れています。後輩に慕われている中井さんの姿がわかりますね。
又、中井さんの「生きている」という言葉は今のコロナ禍の時には特に心に響きます。
さらに中井さんは後輩を大事にしている様子がA‐studio番組中でもわかりました。それは時計です。
中井さんは名優高倉健さんから時計などいくつもプレゼントされていることを番組で明かしました。
その時計はいずれ後輩の俳優さんたちにプレゼントするすることを考えています。「時を刻む」時計は俳優として真面目に取り組んで積み重ねてきた時間、「生きている」という証の時間です。
中井さんからプレゼントしてもらうと意味が深いですね。
もらった俳優さんたちは背筋がのびる思いでしょう!励みになることは間違いありません。後輩を育てることも中井さんは視野にいれているのかもしれません。
プライベートはどうでしょうか?
プライベートでは39歳で一般女性と結婚しました。中井さんには独特の結婚観がありました。
それはどんなことでしょうか?お父さんに関係していました。
中井さんのお父さんは昭和の名優佐田啓二さんです。「君の名は」(1953年)「喜びも悲しみも幾年月」(1957年)などの大ヒット映画を生み出しました。
しかし、中井さんが3歳の時事故死しました。佐田啓二さん37歳でした。
中井さんには独特の結婚観とは?
それは父親の歳を超えるまでは結婚しない、ということでした。
人生いつ終わるかわからないので、自分と同じ思いは繰り返したくないと考えてのことでした。
中井さんにとって父は大きな存在でした。
旅に出るときは必ず親父の写真を持っていきます。普段は肌身離さずは持っていない。旅に出た時は鞄の中に持ってきてその土地の空気をすわせてあげたいな」と中井さんはこう語ります。
「天才ダヴィンチからの挑戦状」(TBS)
中井さんはお母さまから父が使っていた時計を譲り受け、いつもはめているそうです。
父の存在を大切にする中井さん、視聴者にも伝わっていました。
2014年には10代から60代までの男女500人アンケートで理想の父親像1位に選ばれています。
中井さんの父への深い思いは自然に伝わってきます。中井さんを形成している大事な一部なんですね。中井さんを見ていると安心感と信頼感を感じます。
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4 中井貴一さんのまとめ
中井さんが出演すれば、見ごたえ間違えなし絶対はずさないという印象がある男優さんです。
名優佐田啓二さんを父に持ち、同じ役者人生を選んだ中井さんは見る人を第一優先に考えて役作りをしていることがよくわかりました。だから絶対はずさない俳優さんであるのも納得です。
後輩に慕われ先輩とも友好関係を保ち、現場を大事にする姿もわかりました。中井さんの責任をもって仕事をする姿は立ち振る舞いやお顔の表情にも刻み込まれていると感じます。
プライベートでも家族を大事にしていました。特にお父さま佐田啓二さんの存在は中井さんにとって大きな存在でした。
今年公開の映画「大河への道」は千葉県香取市を舞台に、地元を盛り上げるために郷土の偉人「伊能忠敬」を主役にした大河ドラマの開発が進む中、「日本地図を作ったのは伊能忠敬ではない?」驚くべき事実が発見されるという展開です。
現代喜劇と時代ミステリーの2軸で展開します。2つの時代の登場人物が一人二役を演じて分けているのも注目されています。
中井さんは今回はどういう風に役作りをしたのでしょうか?
その場とその時間を想像し、きっと空気をまとっていったのではないでしょうか。
これからも中井貴一さんの出演する映画、ドラマ、CMを観るのが楽しみです。